内豪古草原の種組成に与える放牧の影響
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概要
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内蒙古バイインシル草原において24の立地で枠法による群落調査を行い,103種の植物を記録した。そのうち30種は50%以上の調査地点に出現した。それらの種類は,放牧の強さによって群落内での重要度を変化させた。この30種と文献による14種を加え43種を用いて,放牧圧に対する各種の反応を検討した。弱い放牧圧の立地で高い重要度を示す種はAneurolepidium chinense, Stipagrandis, Achnathelum sibiricumであった。これらの種類をタイプIとした。逆に,放牧圧の強い立地で高い重要度を占める種類はCarex Korshinskyi, Cleistogenes squarrosa, Artemisia frigidaなどであった。これらの種類をタイプIIとした。Kochia prostrateやPotentilla bifurcaなど,放牧圧の強さにかかわりなくある程度の量を維持していた種類をタイプIIIとした。それらの群落構成種をもって立地の状態を判定する指数を工夫した。そのために,これらタイプI,II,IIIにそれぞれ4,0.25,1という評点を与え,この評点と各群落構成種の重要度指数の積の合計をもって立地の状態指数(Stand Quality Index:SQI)とした。すなわちSOI=Σ(rl・s)rl:それぞれの種の相対重要度,s:50%以上の出現頻度を持つ種を含む44種のそれぞれの種の評点。この立地状態指数は,1979年から16年間放牧を中止した草原では975,現在放牧を続けている草原で300前後となった。へクタールあたり8頭を越える放牧を行うと,この指数は100以下となった。草原の構成種の生育型組成は,放牧圧が強くなると匍匐型(p型)が増し,放牧圧の弱い立地では分枝型(b型)が増えた。群落の種多様性は,放牧圧が弱い立地では高くなる傾向を示したが,立地の状態指数とは直接関係がみられなかった。
- 日本草地学会の論文
- 2000-01-31
著者
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