水田転換圃場における暖地型マメ科Aeschynomene americana L.の生育特性

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Aeschynomene属牧草のわが国低渡地における夏季の刈取利用,特に水田転換畑での栽培利用法を確立するため水田転換圃場と畑圃場による栽培試験を行い,生育特性に関する基礎的知見を得た。水田転換圃場及び畑圃場における93年から95年までの乾物収量は1年生草種のA.americana cv.Glenn及びA.americana CPI93556で9月から10月にかけて急激に増加した。これらの草種の乾物収量は畑圃場より水田転換圃場で高い値を示した。水田転換圃場での10月の収量を年度間で比較すると94年>95年>93年となり,各年の気温または日射量の違いによることが重回帰分析により明らかとなった。また,Aeschynomene属は対照草種のファジービーンより有意(P<0.05)に高い値を示した。Aeschynomene属のCGRはLAIの増加と共に高くなり,9月から10月にかけて最大値を示した。また,畑圃場より水田転換圃場で高い値を示した。Aeschynomene属は9月上旬までの草丈の直線的な伸長,主茎分枝数及び葉柄数の増加により葉面積が急激に増加し,CGRが高い値となった。また,水田転換圃場では畑圃場より草丈が高く,葉柄数も多くなったため高いLAIを示した。根粒車及び窒素固定能は10月に最大値を示し,Aeschynomene属の根粒車は葉面積及び葉重と高い正の相関が認められた。これらの生育特性からAeschynomene属はわが国低暖地における水田転換畑での栽培にも適応できる有望な草種であると思われた。
日本草地学会の論文
1999-10-31

水田転換圃場における暖地型マメ科Aeschynomene americana L.の生育特性

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