トリクロロエチレンおよびテトラクロロエチレンに曝露された労働者に発生する急性肝炎を伴うスチーブンス・ジョンソン症候群
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概要
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トリクロロエチレンおよびテトラクロロエチレンに曝露された労働者に発生する急性肝炎を伴うスチーブンス・ジョンソン症候群:久永直見ほか.産業医学総合研究所一1980年代末以来,トリクロロエチレン曝露労働者における急性肝炎を伴うスチーブンス・ジョンソン症候群に関するアジア諸国からの報告が増加している.最近,フィリピンと中国では集団発生が報告されている.トリクロロエチレンに加えて,少数ではあるが,同様な健康障害がテトラクロロエチレンを使う労働者にも発生している.上述の事実は労働衛生関係者にまだよく認識されていないので,本総説は,(1)報告された健康障害の臨床的特徴,(2)患者の仕事,作業環境,有害化学物質への曝露の詳細,(3)健康障害とトリクロロエチレンあるいはテトラクロロエチレンへの曝露との関係を明らかにすることを目的とした.文献の批判的検討の結果に基づき,下記を指摘した.第1には,トリクロロエチレンあるいはテトラクロロエチレンに曝露される労働者の健康状態を注意深く観察すること,ならびに曝露低減対策を講じることが重要である.第2には,状況証拠は,トリクロロエチレンあるいはテトラクロロエチレンと健康障害との間の因果関係を示唆するが,現時点では,健康障害の発生を促す未解明の因子の関与あるいは隠れた真の原因が存在する可能性を除外できない.したがって,それらを突き止めるために更なる研究が必要である.第3には,健康障害の発生機序ならびに発症原因に対する感受性に大きな個人差があるようにみえる理由を明らかにするべきである.
- 社団法人日本産業衛生学会の論文
- 2002-03-20
著者
-
竹内 康浩
名古屋大学
-
城内 博
日本産業衛生学会労働衛生国際協力研究会
-
久永 直見
産業医学総合研究所
-
毛利 一平
産業医学総合研究所
-
市原 学
名古屋大学大学院医学系研究科
-
竹内 康浩
名大医衛生
-
上島 通浩
名古屋大学医学部衛生学
-
上島 通浩
名古屋大学 衛生
-
上島 通浩
名古屋大学 医研究 環境労働衛生
-
市原 学
名古屋大学大学院 医学系研究科 健康社会医学専攻 社会生命科学講座 環境労働衛生学分野
-
市原 学
名古屋大学大学院
-
ICHIHARA Gaku
Nagoya University Graduate School of Medicine
-
柴田 英治
名古屋大学医学部保健学科 検査技術科学専攻
-
兪 小忠
Institute of Risk Analysis and Risk Communication, University of Washington
-
城内 博
産業医学総合研究所
-
兪 小忠
産業医学総合研究所
-
小川 康恭
産業医学総合研究所
-
Kamijima Michihiro
名古屋大学 医学部保健学科検査技術科学専攻
-
Ichihara Gaku
名古屋大学 医学部大学院医学系研究科
-
Ichihara G
Department Of Hygiene Nagoya University School Of Medicine
-
毛利 一平
労働安全衛生総合研究所 健康障害予防研究グループ
-
兪 小忠
Institute Of Risk Analysis And Risk Communication University Of Washington
-
市原 学
名古屋大学 医研究 環境労働衛生
-
兪小 忠
名古屋大医衛生
-
城内 博
産業医学総合研
-
竹内 康治
名大医衛生
-
久永 直見
産業医学総合研究所 作業条件適応研究部
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