鹿児島県加世田市唐仁原地区の恙虫の調査研究
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概要
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当地区における1959年11月以降1960年10月に至る期間, 野鼠類を捕獲し恙虫の季節的消長の調査を行なつた.捕獲された宿主はアカネズミ307頭, ハタネズミ12頭, ヒミズモグラ4頭, ドブネズミ21頭, クマネズミ1頭, 野鳥8羽で, 宿主別による恙虫の寄生率はアカネズミ, ヒミズモグラ, ハタネズミ, ドブネズミ, 野鳥等の順であつた.これ等に寄生している恙虫は15種11, 691匹で, アカネズミを宿主として採集された恙虫が断然多い.尚クマネズミからは恙虫を採集することが出来なかつた.部落別地域差による恙虫の分布を見ると, 内田, 佐方, 溝村, 潟村のような雑疎林および竹藪の地帯が, 高橋のような草原地帯よりも, いずれも採集数・寄生率がともに高いことが判明した.月別に見ると年間毎月採集される恙虫はfuji・kitasatoi・kuroshio・saduskiで, pallidaは8月, scutellarisは8・9月に採集されなかつたが, 当地区においては最も優占種であると思われる.hazatoiは野鼠から最初の記録として報告する.またsaduskiの明瞭な眼を有する種については, 今後種々の面からの調査を行なうことにした.この1年間春から夏, 春から秋, 夏から秋等にかけて出現する型が一部の地域において, 差が認められた.尚当地区は鹿児島県, 宮崎県, 広島県の他地区に比べて特異な差が見出された.特にhazatoiやsaduskiの眼を有する種について, 興味ある所見を得たと思う.
- 1961-10-15
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