琉球列島に生息するユスリカ類の知見追加

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琉球列島に産するユスリカ科の昆虫については, すでにSasa and Hasegawa (1983)がChironominae亜科のChironomini族の26種の成虫の記録を行い, さらにHasegawa and Sasa (1987)はその中の11種のサナギと8種の幼虫の形態を記載し, かつ4種に新たに学名を与えた。これらの記載に用いた標本は, 主として1981年の12月から1982年の3月にかけて沖繩本島, 宮古島, 池間島, 石垣島の各地で下水溝, 養魚池, 溜池, および山間の清流などで採集したものであるが, 今回はそれらのうち, これまで記載しなかったTanytarsus属の4種, Orthocladiinae亜科の10種, およびTanypodinae亜科の2種, 計16種について主として雄成虫の形態にもとづいて種名を同定し, 琉球列島産のユスリカ科として追加した。さらに前回のSasa and Hasegawa (1983)の報告において学名をつけなかったPolypedilum属の3種に新たに学名を与えた。今回記録した19種のうち12種は, 従来記録された種類に該当するものがなく, 新種として学名を与えた。そのうちのOrthocladiinaeの1種は, 雄の中脚のtibiaの末端に後脚のtibiaの末端と同じような櫛列terminal combをもち, それは従来知られている同亜科のユスリカにはみられない特徴であるため, これを新属・新種としてOkinawayusurika otsuruiオウツル・オキナワユスリカと命名した。また, わが国には未記録のSmittia pratorumと同定される種類の成虫が多数採集された。
1988-09-15

琉球列島に生息するユスリカ類の知見追加

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