沈生ないしは側方に外出する朔をもつイタチゴケ属数種についてのノート
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概要
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蘚類のイタチゴケ属(イタチゴケ科)植物において朔が雌包葉内に沈生ないしは側方に外出する種について述べた.一般にイタチゴケ属植物においては朔柄の長さは同種間においても変異が大きく,種を認識するうえでの安定した形質とはみなせない場合がおおい.しかし本論文で述べた四種はその変異巾が小さく,かつ朔はつねに雌包葉体内に沈生するか側方に外出する状態である.このような朔の状態の存在は本属においていままで広く認識されることはなかった.ススゴケ属Forsstroemiaは,従来その所属についてイタチゴケ科あるいはツルゴケ科に属するかが議論されてきた.スズゴケ属とイタチゴケ属を区別する際重視されてきたいくつかの形質のうち,少なくとも朔の状態(および偽毛葉の有無)においては両属を明確に識別することはできないことがわかった.
- 日本植物分類学会の論文
- 1986-12-25
著者
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