対話参加者の心的状態に関する制約に基づく発話解釈モデル (<特集>自然言語処理の新しいパラダイム)
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概要
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本稿では,目標指向型対話において,発話情報と文脈情報に関して成立する制約を用いて,発話を文脈の下に解釈するためのモデルについて述べる.ここでは,文脈として,特に,対話参加者間の相互信念と共有意図(心的状態)に注目する.モデルは,状況理論に基づいて記述され,対話の状態と制約の集合から構成される.対話の状態とは,進行する対話における発話情報と文脈情報を表現するもので,いくつかの状況に含まれる情報として表現される.制約は,これらの状況の間の相互関係を表現する一般的な枠組みである.モデルは,対話の状態についての既知情報と制約とを用いて,対話の状態に含まれるさらなる情報について推論する.この制約に基づく推論手法は,発話から文脈情報を認識する推論と,既知の文脈情報を新たな発話の解釈に役立てるための推論とを融合することができるという利点をもつ.この利点によって,発話における省略情報を文脈情報を用いて補完することができる.
- 日本ソフトウェア科学会の論文
- 1989-10-16
著者
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