正規母集団における変動係数推定のための最適標本サイズ

概要

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変動係数は,集団の個体間変異を推定するための尺度として有用な統計量である.標本調査においては,母集団平均推定のために適切な標本サイズを変動係数の大きさに基づいて推定することができる.そのため,予備調査などによって母集団の変動係数を前もって推定する必要がある.ところが,一定の精度で変動係数を推定するための最適標本サイズに関する報告はほとんどない.本研究では,標本変動係数の分布に正規近似を利用して95%信頼限界を設定し,一定の信頼度および誤差限界に基づく最適な標本サイズを推定するための手法を示した.また,正規乱数を発生させた4組のデータ,並びにイネ育種研究において実際に得られた葯長に関する1組のデータを用いて,本研究の手法によって推定した最適標本サイズの信頼度をシミュレーションによって検証した.その結果,5組のデータにおいて,仮定した95%信頼区間の範囲から外れた標本の割合は2.03〜4.54%におさまり,本手法は十分な推定精度を持つことが明らかにされた.
日本熱帯農業学会の論文
2003-12-01