イネの遠縁交雑F_1の花粉および種子稔性と関連する4座の標識遺伝子
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概要
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本研究ではイネの遠縁交雑F_1の花粉および種子稔性に対する4座の標識遺伝子の効果を検討した.染色体7上のEst-9座の標識遺伝子は花粉稔性との関係を示した.染色体上3のPgi-1および染色体7上のEst-9座のへテロ接合体は, 両座のホモ接合体より低い花粉稔性を示した.さらに二つの遠縁親の交雑に由来するPgi-1および染色体1上のアントシアン活性化遺伝子Aのへテロ接合体は, それぞれのホモ接合体より低い花粉稔性を示した.従って標識遺伝子Pgi-1とAは, 花粉稔性に関係することが見出された.この結果は, これらの遺伝子座の近傍にあるga-14(t)とga-7の配偶体遺伝子座が, 花粉稔性に関与している可能性を示唆した.さらに, 花粉稔性が大きく低下した場合, それは種子の稔性の低下に寄与することを見出した.なお, 種子の雑種不稔の標識が染色体6上のC(アントシアン色素原)であることを再確認した.これらの知見は遠縁交雑組合せにおいて高い花粉稔性をもつ系統の育成に有効であろう.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1999-12-01
著者
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