低温が稲の日印交雑種の稔実率に及ぼす影響
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概要
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F_1雑種植物を用いて低温が稲の日印交雑種の稔実率に及ぼす影響を研究した.5組合せの日印雑種F_1の稔実率は, 温度の低下にしたがって直線的に下がった.その原因は低温で一部の花粉が授精力を失ったことによる.実際に低温で染色率からみた花粉の形態的な稔性は低下した.低温と正常温度で稔実した6組合わせのF_1から得たF_2集団のアイソザイム遺伝子マーカーの分離型を調査したところ, 3組合せでPgi-1とSdh-1の分離の型が温度によって影響されることが示された.一方, 広親和性のKetan Nangkaとインド型のKasalathの交雑によるF_2集団では, マーカーの分離の型は低温によって変わらなかった.以上の実験から低温による日印雑種F_1の稔実率の低下は雑種不稔に中立の遺伝子の導入により回避できると考えられる.
- 1999-12-01
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