量子化データに対する低密度パリティ検査(LDPC)符号の復号法

概要

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LDPC符号の復号法に関する多くの論文では,LDPC復号器への入力値として無限軟値,つまり量子化されていない値が扱われている.しかし,ハードウェア上の実行の際,受信機では量子化器を使用し,LDPC符号の復号器は,有限量子化値を処理する.LDPC符号の復号アルゴリズムであるBelief Propagation(BP)アルゴリズムは,無限軟値に適した復号を行うように設計されている.そのため,有限量子化値に適した復号法ではない.本稿では,有限量子化値に適した復号アルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムは,従来のBPアルゴリズムにおける初期尤度の導出式を修正したものである.また,提案アルゴリズムは,従来のBPアルゴリズムと比較して複雑度が低い.受信機で用いる量子化器には,一様量子化器と最適量子化器であるLloyd Max量子化器を用いる.AWGN通信路における計算機シュミレーションの結果,提案アルゴリズムは複雑度が低いにもかかわらず,2ビット量子化では従来のBPアルゴリズムを上回り,3ビット量子化以上では従来のBPアルゴリズムとほぼ等しい特性を達成することを示す。
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-08-23