非線形光スペクトル制御による160Gbit/s-75km無中継伝送実験

概要

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超高速光伝送における光パルスの超短化に伴い高次分散による伝送波形劣化が問題となる。特に無中継伝送においては、S/Nの観点から光ファイバへの光信号入力を大きくする必要があるため、光ファイバの非線形性と高次分散との相乗効果による波形劣化が問題となる。ところで零分散波長近傍における光パルスの非線形伝搬では、光パルスのスペクトルが、零分散波長を境に分離することが報告されている。このとき常分散側にシフトした光パルス成分は、分散による波形広がりを受けるが、異常分散側へシフトした光パルス成分は、光ソリトン効果により波形広がりが抑えられる。一方、光パルスのすその部分で生じる波形劣化は、非線形性が弱いため、零分散波長近傍にとどまる。このため、スペクトル上で波形劣化成分と光パルス成分の分離が可能である。これまでに我々は、上記効果と光フィルタによる非線形光スペクトル制御を用いて、波形劣化成分の除去を検討してきた。今回、非線形光スペクトル制御を用いて、160Gbit/s-75kmの無中継伝送実験を行い良好な結果を得たので報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-09-05