ハンマリングによる家屋の耐震評価
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概要
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阪神大震災以来、一般家屋の耐震評価の重要性に対する認識が急速に高まっている。耐震評価の方法としては建設省住宅局監修による地盤・基礎、建物の形、壁の配置と割合、筋かいの有無、老朽度などから判定する「木造住宅の耐震精密診断と補修方法」がある。また、筋かいの有無を測定する装置の開発も進められている。これらは、建物の図面や地盤の情報などに基づいて診断が可能な方法である。一方、建物の振動情報を用いる方法として、常時微動を測定する方法が用いられている。地盤からの加振力により建物が振らされ、振動のスペクトルから固有周期を求めるものである。固有周期と耐振性の関連は小原・宮沢により検討されている。 ここで提案する方法は、家屋の上階において先端に弾性体を持つハンマーを用いて柱や壁の硬い箇所を加振し、その応答を同じ階の数点で測定することにより、建物の固有周期を含めた振動特性を求め耐震性を評価するものである。固有周期は建物の質量と剛さの比の平方根に比例する量であり、構造的に重く柔らかい建物は固有周期が大きくなる。同じ構造でも屋根を瓦に変えると重くなるために固有周期は大きくなる。同じ重さでも、壁や筋かいを増やすと(剛さが増すことにより)固有周期が短くなる。このように固有周期は建物の耐震性に係わる振動特性を表現する重量な指標である。本方法では第2の評価指標としての固有周期での動き易さ(変位量/力)も測定し、固有周期と合わせて耐震性の判断材料とする。これらの指標と上記の従来法と併用することにより、より正確な耐震性の評価が可能であると期待される。なお、本装置は加振の都合上二階建以上の家屋を対象としている。
- 1997-08-13
著者
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