ソフトウェア開発プロセスの診断技法についての考察
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概要
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ソフトウェアが大規模化,複雑化するに伴い,開発・保守作業を整然と可視化し管理することが難しくなりつつある.これまで比較的小規模な開発を行ってきた部門が,以前より大規模で複雑な開発に遭遇すると,少人数では機能していた開発プロセスが,機能しにくくなるなどの例も多い.そのため,近年ソフトウェア開発の組織化をこれまで以上に重視し,組織のソフトウェア開発プロセスを診断と改善を継続的に行う活動が着目されている.ここでプロセスとは,ソフトウェアの開発,運用,保守,管理,支援で用いる作業項目や手順,および組織や人の活動の総称である.プロセス診断・改善の代表的な手法として,米国カーネギメロン大がプロセス成熟度として提案しているCMM(Capability Maturity Model 組織のソフトウェア開発能力の成熟度モデル)があり,現在米国を中心に欧州および日本でも利用され始めている.CMMは,大規模または複雑な開発に,組織的に対応できるために重要なソフトウェア開発プロセスを組織化する活動(キープロセス)を示している.そして,ソフトウェア部門が組織として,それらのプロセスを備えているか,どの程度まで実施できるかを,組織の開発能力のレベルとして組織の成熟度に分類し,また組織の具体的な活動項目を,成熟度判断のチェックポイントとして定義している.われわれは,CMMを用いてソフトウェア開発プロセスの診断・改善活動に取り組んでいる.ここでは,われわれが実際の活動で利用している,CMMに新しい工夫を加えた手法について紹介する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-09-18
著者
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山田 淳
株式会社東芝研究・開発センターシステム・ソフトウェア生産技術研究所
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艸薙 匠
株式会社東芝
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艸薙 匠
株式会社東芝研究・開発センターシステム・ソフトウェア生産技術研究所
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艸薙 匠
株式会社 東芝 システム・ソフトウェア技術研究所
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山田 淳
東芝
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山田 淳
株式会社東芝
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