容量結合形ジョセフソンメモリセルのセンス接合の応答解析
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概要
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我々が提案した容量結合形のジョセフソンメモリセルは,rf-SQUID素子と単接合を容量的に結合した構造である.rf-SQUID素子に磁束量子として蓄えた2値情報は,磁束量子の出入りの際に発生するパルスを容量結合した単接合で検出することにより読み出す.このパルスは時間幅が数psと狭い電流パルスであり,かつこのパルスの前後で電流値が異なる.更に,パルス印加後の電流には振動電流が重畳する.このようなパルスを用いての読出し動作をいかにうまく行うかによってメモリセルのセンス接合のバイアスマージンが決まる.ジョセフソン素子を用いたメモリセルでは,一般的にセンス接合のバイアスマージンが,メモリ回路全体の動作マージンを制約する.我々のメモリセルでもこのマージンを大きくすることが重要である.そこで,容量結合形メモリセルの読出し動作を想定して,磁束量子の出入りの際に発生するような非常に時間幅が狭く,その前後での電流値が異なるようなパルス電流を与えた際の単接合の応答を検討した.接合をスイッチさせるのに必要なパルスの最小時間幅と振幅,パルス印加前後のバイアス電流依存性は,S.H.DongとT.Van Duzerが報告している接合の結合エネリギーから解析的に求める方法を適用した.また,解析的な方法では得られないパルスの最小時間幅や振幅とセンス接合のスイッチング時間の関係,および,パルス印加後に正弦波状の振動波形をバイアス電流に重畳したときの影響については計算機シミュレーションにより調べた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-04-25
著者
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今村 健
富士通研究所システムLSI開発研究所
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今村 健
(株)富士通研究所
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鈴木 秀雄
富士通研究所
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蓮尾 信也
超電導工学研究所
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鈴木 秀雄
(株)富士通研究所
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蓮尾 信也
(株)富士通研究所
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今村 健
富士通研究所先端システムlsi研究部
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