SISミクサを用いた中層大気観測システム
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概要
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ジョセフソン接合を用いた実用システムとしてこれまで電圧標準, 生体磁気計測用のSQUIDが開発されている。また, 電波天文台ではその低雑音性から約100 GHz以上のミリ波の検出用にSIS (Super conductor-Insulator-Superconductor)ミクサを開発し, 観測に用いてきた。SIS接合は, 基本的にはトンネル型のジョセフソン接合と同一構造である。現在, 世界の主要な電波天文台では, SISミクサが採用されている。我々は, 名古屋大学の4m電波望遠鏡での実績をもとに, 110 GHz帯のオゾン観測システムを開発し実用化した。このシステムは, 地上から遠隔測定により高度20〜80 kmのオゾン濃度の高度分布が測定できるものである。キーとなるデバイスはSISミクサであり, 従来の半導体ミクサでは一回の測定に一時間以上必要であったものが3〜5分程度に短縮できた。最新のシステムは, 現在, 国立環境研究所(筑波)で'95年10月より稼働している。本報告では, オゾン観測システムを中心に, 現在開発中のSISミクサのチューナレス化, および200 GHz帯のシステムについても述べる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-03-06
著者
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