直列接続したジョセフソン素子の電流-電圧特性の測定におけるスイッチングパルスの影響
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概要
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ジョセフソン接合の臨界電流のばらつきを評価するには,直列接続したジョセフソン素子の電流-電圧特性(I-V特性)を測定する方法が一般的に用いられる.その際,測定方法(測定時の配線の接続方法)により,異なるI-V特性,特に同時にスイッチする接合の数が変わることを経験する.この原因としてジョセフソン接合が電圧状態にスイッチした際に発生するスイッチングパルスが直列接続した接合の配線上およびそれに接続したチップ外の配線上を伝搬し,接続点および終端で多重反射することにより,接合を流れる電流が変動するためであると考え実験を行った.本論文ではその結果について報告する.I-V特性を測定するとき,通常その一端はチップ内あるいはチップ外でグランド端子に接続し,他端は高インピーダンスの電源に接続し定電流バイアスすることが多い.この場合,多数の接合が同時にスイッチすると共に,グランドへ接続するまでの距離を変えることによりその数(I-V特性)も変化した.これに対して,一端を50Ωで終端した場合には同時にスイッチするジョセフソン接合の数は非常に少なくなることなどが確かめられた.得られた結果から測定法の違いによるI-V特性の違いは,接合がスイッチしたときに発生するパルスの多重反射に起因していると考えることにより説明できた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-01-25
著者
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