ヒューマンインタフェースへの似顔絵画像の応用 : 似顔絵における性別・年齢の推定

概要

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あらゆる産業分野にコンピュータが導入され, 人間とコンピュータ間の接点が多くなるにつれて, 遠隔地間の人間と人間, 人間とロボット間のインタフェースが重要になってきている. そこで, 本論文では顔の特徴である示差性(他の顔との差異)を強調した似顔絵をディスプレイ上に提示し, 会話者同士が似顔絵を通じて性別, 年齢の認識という選択的視覚処理が行えるかどうかを考察した. その結果, 人間が顔写真, 顔線画および似顔絵について性別や年齢を判断する場合, 性別判断時間よりも年齢判断時間の方が長くなる. また, 性別・年齢判断を行う際, 被験者は顔写真, 顔線画および似顔絵における顔の中央部分の情報に依存している. これは, 顔中央部分には性別, 年齢を決定づける視覚情報量が集中しているからだと考えられる. また, 顔写真を線画あるいは似顔絵にした場合, 年齢の正答率は低くなるが, 平均顔を0.25倍の誇張率で誇張した似顔絵画像を用いると識別力が向上することを確認した. そのため, 適度な誇張率の似顔絵はヒューマンインタフェースとして有効であると考えられる.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-08-25