Erドープファイバにおける負性非線形吸収効果による光信号の負性増幅
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概要
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470ppmのErドープファイバにおいて, ファイバ長2m以上で光信号の反転が観測され, 負性非線形吸収(NNA)効果が生じることがわかった. また, 透過と入射変調度の比, ずなわち負性増幅度が最大で-2.9が得られ, 光信号の負性増幅現象が確認された. 透過-入射変調度の特性を室温(300K)および液体窒素温度(77K)で測定した結果, 室温の方が液体窒素温度より負性効果が大きいことが確認された. NNA効果は, 波長784から792nm近辺において観測され, 入射レーザ強度が3mW/cm^2から14W/cm^2の範囲で生じることがわかった. 変調周波数依存性においては, 1MHzまでNNA効果が生じることが観測されたが, 高周波になるに従って透過波形が非対称になることがわかった. 更に, 偏光依存性が存在することが確認された. 本NNA効果のメカニズムとして, 励起3準位系における誘導放出光による増速吸収が要因であることを提案した. 導波路タイプのファイバにおいてはその放出光が低損失で伝搬するので効率良くNNA効果に作用することから, 光信号の負性増幅が生じることを説明した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-07-25
著者
-
右高 正俊
豊田工業大学
-
前田 佳伸
豊田工業大学制御情報工学科
-
前田 佳伸
豊田工業大学
-
[サカキ]原 隆生
豊田工業大学制御情報工学科
-
榊原 隆生
豊田工業大学制御情報工学科
-
原 隆生
豊田工業大学制御情報工学科
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