Er^<3+>:YAG結晶における負性非線形吸収効果の変調周波数および温度依存性
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概要
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Er^<3+>ドープYAG結晶において, 光入出力特性が負性を示す負性非線形吸収(NNA)効果の変調周波数および試料温度依存性を測定した. 変調周波数依存性においては, 1MHz以下の低周波ではほ完全な光信号反転が得られたが, 5MHz以上の変調周波数では透過光波形が非対称になることが観測された. この時間依存性は^4S_<3/2>準位のライフタイムの特性とほぼ一致した. 試料温度依存性においては, 25K以下の低温でNNA効果はほとんど観測されないが, 50K以上で徐々に現れ, 150K以上においてNNA効果が顕著に観測された. このことから本現象はフォノンを介在したプロセスによることを指摘した. 50Kにおける変調周波数依存性においても, 5MHz以上で透過光波形が非対称になり, 高い周波数になるほど入射光強度が減少した場合に透過光強度が増加する効果が追従しないことがわかった. 透過光をストリークカメラで測定した結果, 830nm近辺に発光が観測され, この発光は^4S_<3/2>準位から^4I_<13/2>準位への遷移によるものであることが確認された. 本NNA効果のメカニズムは励起準位の3準位系における増速吸収がその起源であることを確かめた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-02-25
著者
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