合成音を用いた囁き声のアクセント知覚に関する検討

概要

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基本周期の無い囁き声、高度のさ声でもアクセントが聞き分けられる。このことについて合成音声を用いて、ホルマント周波数、強度、持続時間等のどの成分がアクセントらしきものの知覚に関係するかについて検討を行った。同じ種類の母音を組み合わせた場合は、単独ではホルマント周波数が最も関係しており、次に強度、持続時間の可能性がある。2つの要素を合わせた場合は、強度とホルマント周波数が最も関係している。異なる母音を組み合わせてどちらの母音が高く感じるかを検討した場合は、ほぼ前舌母音と後舌母音とに分かれほぼ / u / , / o / , / a / , / e / , / i / の順でなっており、ほぼ調音点の順になっている。これは非常に荒く近似したスペクトル包絡のピークの周波数、すなわち低次数の線形予測分析で求めた極周波数の順になっている。したがって、スペクトル包絡のピークの周波数がささやき声のアクセントに重要な役目を果たしていると考えられる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-03-09