乱気流の時間変化を考慮したテンプレートマッチングによる後方乱気流検出

概要

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風速計測用光波レーダは、大気中にレーザ光を放射し、大気(エアロゾル)で反射される大気エコーを受信し、そのドップラー速度を計測することにより、風速の空間分布を計測する。我々は、空港滑走路近傍の乱気流を検出するためのアルゴリズムの開発を、計算機シミュレーションにより進めている。後方乱気流は2つの渦で構成され、その間隔は時間の経過とともに広がることが知られている。しかし、これまでの乱気流検出アルゴリズムの検討では、このような渦間隔の変化について考慮しておらず、2つの渦間隔が一定であるという仮定のもとに、乱気流検出を行なうものであった。そこで、発生から時間が経過し2つの渦間隔が広がった乱気流を検出するために、渦間隔が可変なテンプレートを用いて乱気流内の2つの渦を同時に検出する方法を提案した。計算機シミュレーションによる初期評価の結果、従来手法では検出が困難な渦間隔の広がった渦を、提案手法では正しく検出可能となることが確認された。実際の航空機の後方に生じた乱気流を光波レーダで観測したフィールドデータを用いて、検出アルゴリズムの評価、改善を行うことが今後の課題となる。
2001-07-20