吸水性材料を用いた新しい接地抵抗低減剤の提案

概要

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通信施設の増加に伴い,これら施設に設置される接地の数も急激に増加しているが,火山灰,砂れき質,岩盤地帯などの高接地抵抗地帯では,規定の接地抵抗値を得ることが難しく,接地抵抗低減剤の確立が強く望まれている.そこで,本論文では接地抵抗低減剤として,吸水性材料を用いた接地抵抗低減方法を提案している.本吸水性材料を使用することにより,従来の低減剤に比べ約2倍の低減効果が期待できることがわかった.また,本材料は地中に埋設して使用するため,地中の微生物による耐腐食特性および温度特性を考慮する必要があり,各種の吸水性材料から両特性を満足する材料を選定した結果,合成吸水性材料の一種である無水マレイン酸系吸水性材料が有用であることがわかった.更に,従来低減剤として用いられているベントナイト処理剤に比較して,本低減方法は使用量に関して約1/160,接地棒の主材料である銅片の腐食量に関して約1/10であり,接地抵抗低減剤として非常に有用な低減方法であることを明らかにした.
一般社団法人電子情報通信学会の論文
1993-03-25