モード結合を有する複屈折媒質におけるコヒーレントパルスのPMD特性

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特にモード結合を有する伝送路の偏波モード分散(PMD)を解析するための手法として、主偏光状態(PSP)の考え方に基づく解析法は、現在広く受け入れられている。ところが、「果たして、本当に複屈折媒質中を通過する事で割れた光の偏光面はPSPに一致するのか?」という問題に対する回答は明らかには示されていないようである。実際に、これまでPSPの存在を確認したと言われる報告は、主として波長領域におけるPSPの安定性を議論したものや、群遅延時間差(DGD)の波長依存性を議論したものが主であり、時間領域での検討はあまり見られない。Poole and Gilesはパルスが主偏光状態に沿って分かれるという実験を示した。この時用いた光ファイバは楕円コアのDSFであり、モード結合の影響が殆どないためにPSPと固有偏光状態(ESP)は一致しており、PSPに沿ってパルスが分かれたという積極的な証拠にはなっていない。以上の事柄はPSPが波長領域で定義された事、および簡便な方法で十分な精度の偏光状態の測定を行う事が困難であるという事実と密接に結びついていると考えられる。本報告においては、時間領域におけるパルスの分割現象はPSPに従うのかどうかを検討するための実験およびその結果を報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-03-11

モード結合を有する複屈折媒質におけるコヒーレントパルスのPMD特性

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