最大尤度方位推定のための効率的な繰り返し算法と有効な初期値決定法

概要

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センサ・アレイを用いる複数の信号源の定位は, レーダー, ソナー, 地震学および電波天文学等の分野における古くからの重要な問題である. この問題の基礎は, センサから十分遠方にある挟帯域信号源の方位推定である. これまでに, 高分解能手法あるいは超分解能手法と呼ばれる極めて高い分解能を有する方位推定手法が提案されており, MUSIC [1], 最大尤度法[2]はその代表である. 最大尤度方位推定法は, 推定精度, 分解能, および少数データの取扱, コヒーレント信号の取扱に関して, 他の手法よりも優れているが, 多変数の非線形最適化問題を含んでいるために一般に膨大な計算量を必要とする. また, 最大尤度方位推定法の評価関数は一般に多峰性であるため, 解の探索において局所解を回避する必要がある. 交互射影法 (AP法) [2]は, 一変数の最適化を交互に繰り返すことによって多変数の非線形最適化を行なう交互最大化法の一種であり, 射影行列の直和分解を利用して, 最大尤度方位推定の計算の効率化を計った手法である. 本論文では, 等間隔直線アレイについて, 評価関数の勾配を利用したより効率的な繰り返し算法を提案する. また, 本手法のための効果的な初期値の選択手法を示す. さらに収束する局所解について考察する.
1997-03-06

最大尤度方位推定のための効率的な繰り返し算法と有効な初期値決定法

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