冬季における長波標準電波強度の全国マップ

概要

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情報通信研究機構により平成11年より発射されている長波標準電波は、周波数及び時刻の標準として広く利用されている。現在では、日本全土にわたって充分な強度で受信されるよう置局されたJJY40kHzとJJY60kHzの2送信局が運用されている。しかし電離層反射波成分が卓越する遠距離において、実際にどの程度の電界強度で受信されるかについては、十分に把握されているとは言えず、また比較的近距離においても、電離層D領域の変動に伴う受信電界強度と位相の経年的変化、季節的変化、日周変化について、予測できない要素が多い。そこで先ず季節的変動のうち、冬季に於ける電界強度の全国的な分布を測定するため調査を実施した。またその結果を裏付けるため、ITU-Rの勧告に基づく理論計算値との比較検討も行った。本文は、北海道から沖縄にいたる広範な地域にわたって、JJY40kHzとJJY60kHzの2局からの電波の強度を、送信局から一定距離の地点において測定する固定点測定と、測定車の移動中も連続して行う移動測定について述べ、さらにその結果をITU-Rの勧告P.684に基づく理論計算値と比較検討した結果を報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-12-09