パーソナル通信における音声品質改善法 : 高品質ミューティング方式

概要

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現在商用化が進められているPHS(Personal Handy phone System)通信では端末の小型化・通話時間の長時間化と共に高品質な音声の伝送が要求されており、特にフェージング条件下での音声品質改善が重要な課題となっている。従来、ミューティング方式及びサプレス方式等が実用化されているが、ミューティング方式は音声信号の変化を制限することにより異音を含んだ音声信号を抑圧するものであり、誤る前の符号列を推定して新たな符号列に置換しているとは言えない。また、置換対象となる符号が狭い範囲で限定されているため、異音の原因となっている符号列の全てが抑圧されているわけではない。一方、サプレス方式は、誤りを含んでいるフレームに対し、フレーム単位で異音を抑圧する(消す)ため、本来正しく再生されたサンプルを含めて抑圧される等の問題点がある。本報告は、ADPCMの符号分布及びフェージング条件での誤りパターンを明らかにした上で、誤りが付加された後のADPCM符号の傾向から、音声に与える影響の大きい(誤り誤差の大きい)ADPCM符号を最適化する高品質ミューティング方式を提案し、その有効性を明らかにした。
1995-03-27