遺伝的アルゴリズムを用いた多視点ステレオ画像計測初期値探索手法

概要

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屋外設備測量作業の自動化技術の確立を目指し,多視点化によるステレオ画像計測方法の高精度化の研究を進めている.多視点化によるステレオ画像計測精度向上方法には,非線形最適化手法に代表されるような繰返し計算を用いる局所最適化手法が用いられている.そのため,推定値が繰返し計算の初期値に依存し,初期値によっては正しい推定が行われないという問題点があった.本論文では,多視点ステレオ画像計測を行う際に問題になる.非線形最適化手法における初期値探索問題への遺伝的アルゴリズムの適用について検討する.本方法では,最適化する各パラメータを各要素に割り当てた1次元の配列を生成し,これを個体と呼ぶ.個体を複数個生成し,個体群を形成する.形成された個体群に交差,突然変異および淘汰という三つの遺伝的オペレータを施し個体群を進化させ,環境に応じた適応度の高い個体群を生成する.この進化のプロセスを繰り返し,得られた値を初期値とする.計算機シミュレーションおよび実際のステレオ画像計測実験によって,遺伝的アルゴリズムによって得られた初期値が非線形最適化手法の一種である共役こう配法を用いるのに十分な精度であることを確認した.
1994-09-25