時系列パターン認識のためのネオコグニトロン型学習法の改善
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概要
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ネオコグニトロンに従来用いられていた学習法では,既に記憶したパターンと比較して類似性の少ない学習パターンが提示されると,それを別のパターンとして記憶しようとする性質をもっていた.この性質は,静止画のようなパターンを学習する際には有効に働く.しかし,テレビカメラを左右に動かしながら取り込んだ動画像のような時系列パターンを学習させようとすると,左右に少しずつシフトした画像をすべて別のパターンとして記憶してしまうので,極めて多くの細胞が必要となる.これは,有限個の細胞で構成される実際のシステムには現実的な方法ではない.そこで我々は,冗長なパターンを記憶しないようにして,少ない細胞数で時系列パターンを学習できる新しい学習法を提案する.新しい学習法では,出現頻度があるしきい値以上のパターンを学習した細胞は,それを重要な情報とみなして保持し,出現頻度の低いパターンを学習した細胞はそれを忘却する.いったん学習したパターンを忘却した細胞は,再び別のパターンを学習できるようになる.本論文では,この学習法を簡略化した小規模のネオコグニトロンを使ってシミュレーションを行い,その有効性を示した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-10-25
著者
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