経時変化の有無の判定と変化パターンの識別に統計的検定を利用するリモートセンシング画像間の経時変化領域抽出法

概要

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本論文では, 異なる2時期に同じ場所を観測した2枚のリモートセンシング多重分光画像対から, 経時変化のあった領域を抽出し, 更にその変化パターンの分類を行う新しい手法「DETECT法」を提案している.この手法は, 処理対象の方形領域に2時期間の画素輝度値の変化パターン分布に基づく局所回帰モデルを当てはめ, そのモデルの回帰係数の差の統計的有意性検定の結果を判断基準にしながら, 処理対象領域を互いに経時変化パターンの異なる小領域に分割していくものである.本手法は, 従来手法と比較して, パルス性雑音の影響を受けにくく, センサの感度劣化や光源の位置的な相違に起因する「見かけ上の変化」を「実際の変化」と誤認識してしまう可能性が低い.また, 経時変化の有無の判定結果に大きな影響を及ぼすしきい値を理論的に決定しているため, 処理結果の客観性が高い.こうした本手法の特長を, 疑似画像を用いた数値実験により検証すると共に, 実際の衛星画像に本手法を適用した例を示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-02-25