局所運動を検出する大脳magnocellular系視路細胞のモデル
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概要
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大脳神経生理学の研究が進展し,局所運動の検出が,magnocellular系視路の一連の細胞で行われることがわかってきた.しかし,それら細胞が局所運動検出にどのような役割を分担しているかは,明らかでない.また,理論的研究でも,全視路細胞の機能を説明するモデルの報告はない.我々は,一連の視路細胞が,「処理階層」を構成して局所運動を検出すると提案する.外側膝状体細胞が最初に時間遅れを生成し,2種の単純細胞がハフ変換と時空間相関を実行する.次に,複雑細胞が,局所運動を「複雑細胞配列内の正弦波発火パターン(振幅と位相が運動の速度と方向に対応)」に変換する.最後に,MT野の運動検出細胞が,このパターンを逆ハフ変換により検出して,局所運動を検出する.これら5種類の細胞を,ニューロンのシナプス演算を表す数式でモデル化した.刺激に対して実際の細胞と同じ選択応答性を示し,点図形・直線図形・曲線図形の局所運動を正確に検出することをシミュレーションで確認した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-01-25
著者
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