過渡現象解析のための配電用柱上変圧器モデル

概要

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配電系統における雷害事故のメカニズムを解明する上で, 高圧配電線, 低圧配電線, 変圧器接地線を相互に接続する配電用柱上変圧器を精度良くモデル化しサージ計算を行うことは極めて重要である。特に, 高圧線配電線上だけではなく需要家設備における過電圧も問題とする場合には, 柱上変圧器の各端子が有するインピーダンスに加えて1次側-2次側間移行の周波数特性を正確にモデル化する必要がある。しかしながら, 従来は柱上変圧器は無視されるか, せいぜい1次側の静電容量で模擬される程度で計算精度に問題があった。本論文では柱上変圧器の各端子が有するインピーダンス特性および1次側-2次側間移行特性を, 商用周波数から数MHzに至るまで精度良く再現できる過渡現象計算モデルを開発した。また, 提案手法により容量10kVAの配電用柱上変圧器をモデル化し, EMTPを用いた各種過渡現象計算を行ったところ実測結果と良く一致した。本モデルは高圧配電線の過電圧計算に適用できるだけでなく, 2次側移行サージが計算できるので, 最近問題となっている需要家側の過電圧計算に適用できる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-01-18