1次元フィルタを用いたCosine変調2次元フィルタバンク

概要

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フィルタバンクを構成する解析フィルタを与えて、合成フィルタを最適に設計する理論を示している。先ず、正の重み関数を用いて緩やかに帯域制限されたある信号集合を定義する。この信号集合の中で入力信号を取り替えたと仮定する。このとき得られる入力信号とフィルタバンクの出力信号との差を変数とする任意の正の関数を考え、この関数の上限を近似誤差の尺度として採用する。これは、直感的には、入力信号を原信号と考え出力信号をその近似信号と見なしたときの、近似誤差の何らかの正の関数の最悪値の評価式であると考えられる。このとき、所与の係数ビットをもつFIRフィルタが解析フィルタとして初めに与えられたとき、これに応じて上記の尺度を最小にする合成フィルタを求める理論的手段を確立している。解析フィルタを通過した信号の標本値は線形量子化されるとしている。この条件の下に上記の尺度を最小とする合成フィルタのインパルス応答を示し、これが上述した形式の近似誤差の尺度を同時に最小とすることを証明している。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-03-14