フランジ付方形導波管を用いた複素誘電率の測定

概要

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本報告では、フランジ付方形導波管を用いて複素比誘電率を測定する新しい手法を提案する。本手法の優位点は、方形導波管の一部にフランジを設け、この部分にシート状の試料を装着することにより、非破壊で複素比誘電率の測定ができることである。また、試料を導波管の寸法に合わせて加工する必要がないため、寸法の違いによる測定誤差の低減が可能となる。複素比誘電率の測定には、FDTD法から得られたフランジ付方形導波管内の定在波のl_<min>およびpと、複素比誘電率の実部と虚部の関係を示す、測定チャートを使用する。そして、実験を通して、試料(フッ素ゴム)について実際に周波数10[GHz]においてフランジ付方形導波管内の定在波を測定し、作成した測定用チャートを用いて推定した複素比誘電率の結果を、通常の導波管法による測定結果と比較した。その結果、フッ素ゴムにおいては、フランジの大きさが一辺50[mm] (約1.7λ)程度あれば、フランジ端における電磁波の漏れや反射の影響はほとんどなく、本手法の有効性が確認された。
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-04-23