データ圧縮定理の統計力学(情報論的学習理論論文小特集)
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概要
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データ圧縮の理論的な基盤を与えているのはShannonの情報源符号化定理である.本論文では情報理論に固有な方法を離れて,ランダム系の統計力学で発展してきた概念を背景にした解析によってこの定理を再検討する.符号長有限時における解析が得意な情報理論と符号長無限時における解析が得意な統計力学は相補的な関係にあることから,この定理に関連した非自明な結果を得ることが期待できるからである.実際,2値無記憶情報源の場合には定理の再調に成功した.更に,多元情報源の符号化定理として知られるSlepian-Wolfのデータ圧縮定理にも同様の処方箋を適用し,効率的なデータ圧縮の可能性を報告する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2002-05-01
著者
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大平 徹
(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所
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村山 立人
東京工業大学大学院総合理工学研究科
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村山 立人
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻 樺島研究室
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村山 立人
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
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