センサーネットワークにおける情報理論と統計力学のクロスオーバー : 「最高経営責任者(CEO)問題」のシステム理論的展開
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概要
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本稿では,自立したセンサーによる計測データの分散符号化問題を考える.特に情報理論の分野で有名な「最高経営責任者(CEO)問題」の設定を仮定し,できるだけ精密で解析的な記述を試みる.この問題では,複数のセンサーが1つの情報源を観測する.そして,各センサーは計測データを独立にレート·歪み符号化し,一定の合計データ伝送率の制約下で符号語を送信する.その後,データセンターはすべての符号語を受け取り,できるだけ正確に計測されたデータを推定することになる.ここでは,センサー数の増加による計測エラーのキャンセル効果と,各センサーに配分される伝送率の減少による「歪み」の増加がシステム全体でトレード·オフになっている.今回は,低密度生成行列(LDGM)符号を符号化のモデルに採用し,システムの分散化とデータ推定の精度の関係を議論する.そして,情報理論と統計力学による分析の結果を要約し,両者が整合的な結果を与える事実を紹介する.
- 日本神経回路学会の論文
- 2006-03-05
著者
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村山 立人
日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所
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村山 立人
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻 樺島研究室
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Davis Peter
日本電信電話(株)NTTコミュニケーション科学基礎研究所
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村山 立人
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
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Davis Peter
日本電信電話株式会社nttコミュニケーション科学基礎研究所
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