高速電力線通信に対する電力線の伝送特性とイミュニティ特性の研究
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概要
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近年,ホームネットワークの需要が高まっており,新たな伝送路を敷設する必要がない有線通信として電力線通信が注目されている.しかし,通常,通信伝送路として使われていない配電線でどの程度の情報伝送が可能であるか明確になっていない.また,電力線には様々な電子機器が接続されており,これらの電子機器が様々な電磁ノイズを発生するので,これらのノイズに対して電力線通信がどの程度の耐力を持つかを明確にする必要がある.本報告では,高速電力線通信で使用する数MHzから数十MHzの周波数帯域で宅内配電線の伝送路,接続されている電子機器のインピーダンス,これらの機器から発生する電磁ノイズおよびイミュニティ特性について検討した.検討の結果,VVFケーブルの場合,漏れコンダクタンスの影響により周波数が高くなるにつれてLAN用ケーブルに比べて減衰量が大きくなることがわかった.さらに,機器からの電磁ノイズは周波数が高くなるに従って減少すること,電力線伝送路の線間入力インピーダンスは100Ω前後であり,20dB以上の対地平衡度が期待できることがわかった.そして,イミュニティ試験結果より,電力線通信方式は狭帯域性のノイズに比べて広帯域性のノイズに弱いことがわかった.
- 2002-05-17
著者
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桑原 伸夫
九州工業大学
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桑原 伸夫
九州工業大学大学院工学研究科
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牧 昌弘
松下電器産業
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濱田 清司
九州工業大学大学院工学研究科
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牧 昌弘
松下電器産業株式会社ネットワーク開発センター
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ラシド マーブブ
九州工業大学大学院工学研究科
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濱田 清司
九州工業大学工学部電気工学科
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