複数USBフラッシュメモリによる機密情報拡散通信手法(セッション3)

概要

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本論文では、2台のコンピュータの間で、第三者に機密データを盗聴されることなく、安全に通信するための手法について議論する。機密データの暗号化通信は、広く用いられている手法であるが、コンピュータの計算能力の向上とともに陳腐化する欠点がある。複数の経路で配送する方法は、ある経路が盗聴されても、盗聴者が入手する機密データが一部に押さえられる点で優れている。また、ネットワークを介さずに、オフラインで機密データを配送する方法は、安全性を高めるひとつの方法である。そこで、複数のUSBフラッシュメモリを用いて、2台のコンピュータの間に安全な通信路を実現する方法を提案する。ここでは、分割された機密データを暗号化したデータとこの暗号化に用いた秘密暗号鍵とを異なるUSBフラッシュメモリに格納することによって、USBフラッシュメモリが盗難されても、第三者が機密データを得ることを困難にしている。本提案を実現するプロトタイプシステムを構築した結果、暗号化と復号化の処理によるアクセス速度の低下を20%以下とすることができた。
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-02-26