無線アドホックネットワークにおける中継サービスに関する検討(<特集>新しいトラヒックモデルと性能評価及び一般)

概要

論文の詳細を見る
近年、無線通信の発達に伴い、端末だけで構築されるアドホックネットワークに関する研究が注目されている。アドホックネットワークはインフラフリーのため、直接通信が不可能な端末同士は別の端末の中継によって通信を行う。しかし、一般的な民生用アドホックネットワークは軍事的なものと違って、すべてのユーザが異なった目的をもつため、自分宛てではないパケットを次端末への転送を行うのに必ずしも全力で協力したいと限らない。特に輻〓時において他局への中継サービスがさらなる輻〓を引き起こし、自局通信の性能までが大幅に劣化する恐れがある。そこで、本研究ではアドホックネットワークにおいて利己的なユーザがいる場合、彼らがネットワーク全体の性能にどれぐらい影響を与えるかについての検討を行う。具体的に、自分自身の通信と中継端末としての通信に優先順位を付けて、RIOキュー制御を用いることにより、自己中心的な行動を許す単純なメカニズムの実装を行い、ネットワークシミュレータQualNetを用いて自己中心的な端末の行動がネットワークに与える影響を調べた。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-06-12