無線リンクロス通知方式を用いたECN-based無線TCP方式

概要

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携帯端末の普及や無線通信技術の発達に伴い、無線環境に対応したTCPに関する研究は注目されている。従来のTCPは無線の高い誤り率によるパケットロスを輻輳によるロスと区別できないため、輻輳状態にないにも係らず不必要にデータの送信速度を抑制するという問題があった。ECN(Explicit Congestion Notification)方式は輻輳を明示的に通知するために、提案されている手法である。本方式では輻輳発生の判断がパケットロスだけではなく、パケットに記入された輻輳通知信号受信も契機として輻輳制御動作を開始されるため、輻輳によるパケットロスを事前に防ぐという意味でたいへん有効な手法である。しかし、本手法を無線ネットワークに適用することにより、輻輳によるパケットロスを完全に無くすことができないため、パケットロスの区別が不完全である。一方、無線リンクロスを明示的に通知するEWLN(Explicit Wireless Loss Notification)が提案されている。しかし、本手法の実現にあたり、基地局を利用して、wireless-to-wiredの片側通信を対象にするのが殆どで、wired-to-wireless通信、特に物理層ならびにデータリンク層にエラー訂正技術や再送技術を適用した場合においてその実装方法が明確ではなかった。そこで、本研究ではECNとEWLN方式を組み合わせることにより、輻輳によるパケットロスを事前に防ぐとともに、無線リンクロスを完全に通知することにより、不必要な送信速度の抑制を解消するとともに、無線リンクエラーによるパケットロスを直ちに再送することを実現できる。さらに、提案方式の有効性を検証するため、無線電波環境において提案方式の性能評価を行った。
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-11-15

無線リンクロス通知方式を用いたECN-based無線TCP方式

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