幼児における配分方略の選択 : 皿1枚あたりの数の変化に着目して
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概要
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本研究での目的は, 均等配分方略の選択が皿1枚あたりのチップの数によって変化するかどうかを検討することである。配分するチップが4個から20個, 配分先の皿の枚数が2, 3, 4枚の組み合わせによって9課題が設定され, 就学前の幼児160名がチップをお皿に分けるという配分課題に参加した。その結果, 配分するチップの数が少ない課題では, 3歳の幼児でも8割が正しく配分ができること, また3, 4歳では配分するチップの個数が多くなるほど正答者数が少なくなるが, 6歳ではどのような課題でも8割の幼児が正しく配分できるようになることが示された。選択された方略の分析から, 高度なユニット(unit)方略が5, 6歳で多く選択されるような課題があることも示された。このユニット方略とは, 配分する前に, 皿1枚あたりの数を何らかのレベルで把握し, 一巡(1回通り)でチップを配分する皿に分けていく方略と定義される(山名, 2002)。ユニット方略のように皿1枚あたりのチップを配分前に把握できていなくても, 一巡目に配分していくチップの数がバラバラではなく, 1個, あるいは2個以上のまとまりを形成しながら配分していくことが示唆された。このような皿1枚あたりの数を検討づけるような, 見積もりという点がわり算につながるようなインフォーマル算数の知識の視点として, 重要なことが示唆された。
- 日本発達心理学会の論文
- 2005-08-10
著者
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