自動車運転時における覚醒水準のフィードバック制御
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
手掌部より導出された皮膚電位水準(SPL)は覚醒水準の低下とともにその電気的陰性度が減少する。この現象を利用して自動車運転時の覚醒水準の評価を行なった。第一の実験において,試走路運転中のドライバーからSPL,脳波(EEG),眼球運動(EOG)および心電図(ECG)の導出を行なった。実験中に,覚醒水準の低下に起因する危険な運転が見られた。実験の結果,SPLとEOGについては覚醒水準と相関のあることが示された。しかし,EEGとECGについては覚醒水準との関連が認められなかった。つぎに第二の実験を行ない,SPLを覚醒水準の指標として,その制御可能性を検討した。ドライバーのSPLが所定の閾価に達すると,実験者は音声刺激をドライバーに与えた。この実験の結果,SPLは閾価以上に保持され,運転行動にもミスのないことが示された。このフィードバック手法は,自動車の運転手や飛行機のパイロットなどのためのいねむり警報システムに利用できるであろう。
- 日本バイオフィードバック学会の論文
- 1984-06-30
著者
-
小坂 明生
東京大学工学部計数工学科:(現)(株)オリンパス光学工業
-
西村 千秋
東京大学工学部計数工学科
-
南雲 仁一
東京大学工学部計数工学科
-
吉沢 修治
東京大学工学部機械情報工学科
-
常光 和子
東京大学工学部計数工学科
-
南雲 仁一
東京大学工学部
-
吉沢 修治
東京大学工学部計数工学科
-
常光 和子
東京大学工学部計数工学科:(現)(株)日立製作所
関連論文
- 皮膚電位水準のバイオフィードバック
- 皮膚電位による入眠促進バイオフィードバック
- 東京大学工学部計数工学科・南雲研究室
- 第11回日本バイオフィードバック学会
- マイクロコンピュータの進歩とバイオメカニズム(「マイクロコンピュータ」)
- 皮膚電位水準を利用した入眠抑制バイオフィードバック : 実用化への問題点
- バイオフィ-ドバック
- 皮膚電位水準を利用した入眠制御バイオフィ-ドバック
- 連想記憶のイジングモデルへのαオーダーパラメータの提案 : 自由エネルギーの計算
- 自動車運転時における覚醒水準のフィードバック制御
- 改良型皮膚電位遠隔計測システムとその応用
- 皮膚電位水準の遠隔測定とその応用
- 筋肉のHodgkin-Huxley方程式の2パラメータ分岐とイオンチャネル疾患
- 筋肉のHodgkin-Huxley方程式を用いた筋緊張症と筋麻痺発生条件の解析
- 筋細胞膜のHodgkin-Huxley方程式における周期倍分岐のカスケードとカオス
- A-42 筋細胞膜のHodgkin-Huxley方程式における周期倍分岐のカスケードとカオス(A-2. 非線形問題,一般講演)
- 神経モデルの応答特性について (関数微分方程式と力学系)
- 非線形制御系の安定論 : Liapunovの直接的方法
- 17.監視作業における覚醒水準制御の試み(第13回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)
- 神経モデルのカント-ル関数形応答特性に関する理論的考察
- 聴覚入力手動制御系における人間の動特性
- 人工知能への二三のアプローチ
- ある非線形問題について (関数方程式の近似解法研究会報告集)
- システムの学習的同定法をその応用 : 計測
- 学習する機械 : 生物的情報処理装置
- 生物的人工頭脳について
- 皮膚電位水準による自動車運転時の覚醒水準評価の試み-2-諸生理量の比較
- 皮膚電位水準による自動車運転時の覚醒水準評価の試み-1-路上運転時の皮膚電位変化
- タイトル無し