状態監視保全における"Monotone Procedure"の最適性への必要十分条件 : 任意のアクション数の場合
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概要
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本研究は, 状態監視保全における最適方策がMonotone Procedureにて与えられるための必要十分条件は, システムの真の状態が与えられた下でのモニターが示す値(モニター値)を関連付ける条件付確率行列がTP_2 (Totally Positive of order 2)の性質を持つことにより与えられることを示す.ここでMonotone Procedureとは, 異なる二つのアクションはモニター値のある一つの値(閾値)を境にしてのみ表れ, 2つ以上の閾値は存在しない方策をいう.これにより, 例えばモニター値が10通り, アクション数が2通りの場合, 考えうる全方策2^<10>=1024通りの中から最適方策は11通りのみに, モニター値が20通りの場合は20^<20>≑10^6通りに各々絞りうる.このように本研究により最適方策を少数のもののみに限定しうるため, 瞬時の意思決定を下すことが可能となり保全の自動診断を可能とするものである.逆にこのように限定しうるには, TP2の条件がなければならず, これよりも緩い条件では成立しないことが判明し, モニター設計および保全方策の指針を考える.なお, 本論文では保全性に関する記述を行ったが, 本研究結果は一般の意思決定論においても成立する.
- 社団法人日本品質管理学会の論文
- 2005-04-15
著者
-
鈴木 和幸
電気通信大学
-
鈴木 和幸
電気通信大学大学院電気通信学研究科
-
鈴木 和幸
電気通信大学大学院情報システム学研究科社会知能情報学専攻
-
金 路
電気通信大学大学院
-
金 路
Graduate School of Electro-Communications, University of Electro-Communications
-
鈴木 和幸
Graduate School of Electro-Communications, University of Electro-Communications
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