28. ヒト下垂体のゴナドトロピン産生細胞に関する免疫組織学的研究 : 二重染色法によるLH, FSH産生細胞の分離

概要

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ヒト下垂体のLH, FSH産生細胞を酵素抗体法の間接法の二重染色法を用いて分離した。抗血清はLHに対しては抗hCG-β家兎抗血清(持田製薬)をswine FSH (sFSH)で吸収したものと, Chalbiochem社のsFSHで家兎を免疫して得た抗sFSH抗血清をhCG, 正常ブタ血清, ヒト睾丸末で吸収した抗血清を用いた。標識したhorseradish peroxidaseの反応基質は3, 3-diaminobenzidine, 4-Cl-1 naphtolの濃度を修正して用いた。この方法で7例の成人, 1例の胎児下垂体のLH, FSH産生細胞をすべて分離することができた。LH産生細胞は卵円形のものが多く, FSH産生細胞はLH産生細胞より大きく, 形態はさまざまであった。両細胞とも主部の辺縁と隆起部に近い所に多く見られた。コントロール染色は抗hCG-β抗血清をhCGで, 抗sFSH抗血清はhMGで吸収した抗血清で行ない, 陽性反応は消失または減弱した。4-Cl-1 naphtol-ピロニン染色後, 再度4-Cl-1 naphtolを反応させ, ピンクと青に染め分けた切片をアルコール脱色, 抗原抗体反応を解離した後, resorcine, fuchsinとazan染色(Romeis)を行った。LH産生細胞はアニリン青をとったa細胞, FSH産生細胞は紫に染まったγ細胞であった。
日本組織細胞化学会の論文
1978-11-01