原発性肺癌における脳転移症例の臨床的検討 : 脳転移診断時の神経症状の有無に注目して

元データ 1998-10-01

概要

1985年から1996年までに当科に入院した原発性肺癌720例のうち脳転移を認めた90例を、脳転移診断時の神経症状の有無により有症状群(n=54)、無症状群(n=36)に分け両群の比較検討を行った。両群間において、年齢、性、組織型、丁因子、N因子、他臓器転移の有無については差を認めなかった。経過中に脳転移が診断された例では、有症状例が多い傾向が認められた。転移がテント下に存在する場合には、テント上のみの転移の場合に比べ、症状出現率は有意に高かった。転移巣の大きさは有症状群で有意に大であった。放射線療法単独もしくは化学療法との併用療法に対する腫瘍縮小効果は両群で差はなく、有症状群では83。3%の高い症状改善卒が得られた=。脳転移診断からの生存期間は両群で差を認めなかった。脳転移が直接死因となった4症例はすべて有症状群であった。放射線療法は有症状脳転移の制御においても有効と言えるが、併用化学療法の効果についてはさらに検討が必要であると思われた。

著者

山沢 英明 自治医科大学呼吸器内科
坂東 政司 自治医科大学 呼吸器内科学 教室
石井 芳樹 自治医科大学呼吸器内科
山沢 英明 自治医科大学医学部内科学講座呼吸器内科部門
北村 諭 自治医科大学

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