男子排尿障害症例に対するPressure-Flow Testによる検討

概要

論文の詳細を見る
男子排尿障害の原因が下部尿路通過障害か膀胱排尿筋の収縮力低下かを鑑別することは困難である.臨床的にも前立腺手術後,排尿状態に改善の見られない症例を時に経験することがある.その原因の1つとして膀胱排尿筋の収縮力低下に対する検討が術前にされていないことが指摘されている.そこで我々は男子排尿障害症例28例(40歳〜80歳:平均65.3歳)に対し尿流量,膀胱内圧,直腸内圧,膀胱排尿筋収縮圧,括約筋筋電図を同時測定するPressure-Flowテスト(以下P-Fテスト)を行い,その結果をGriffithsのDiagramを用いて膀胱排尿筋の収縮力と下部尿路通過障害の有無について検討した.その結果strong detrusorは0例,normal detrusor,weak detrusor各14例であり,infravesical obstruction 3例,equivocal 11例,no infravesical obstruction 14例であった.手術症例の手術前後の尿流測定ではnormal detrusorでinfravesical obstructionの2例では著明な改善を示したが,weak detrusorでno infravesical obstructionの4例では改善を示さなかった.以上より,P-Fテストによる膀胱排尿筋収縮力と下部尿路通過障害を評価することは有用であり,排尿障害症例に対して術前に膀胱排尿筋収縮力を評価することは,手術適応を決定するうえで重要であると考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1993-05-20

男子排尿障害症例に対するPressure-Flow Testによる検討

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク