腎血管筋脂肪腫の治療法選択についての検討

概要

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(背景と目的)腎血管筋脂肪腫(AML)の治療として,腎保存手術は坤想的である。しかし,実際には破裂例や,両側,多発性の場合など,腎保存手術が.難しいことも多い。そのような治療困難なAMLに対する治療法選択についての我々の考えを述べた。(対象と方法)我々が過去10年間に経験した10例(12腎)について検討した。(結果)AMLの径が4cm以下の5腎では,うち4腎で破裂を見なかった。径4cm以上のAMLは7腎あったが,そのうちの4腎で破裂を見た。破裂していない径4cm以上のAMLは3腎であり,うち2腎には核出術を行い,あとの1腎に対しては,予防的塞栓術を施行した。その患者は,多発性硬化症で,両側,多発性にAMLをもつ患者であった。破裂したAMLは4腎あり,2腎において核出術を行ったが,残りの2腎は腎摘出術となった。我々が,核出術を行い得た2腎は,破裂後に長い観察期間をおいて手術したものと,手術時にin-situ潅流を用いたものであった。(結論)径が4cm以上のAMLは,やはりその大半は将来破裂を来す可能性が高いと思われるので,積極的に治療したほうがよいであろう。破裂後や両側,多発性の場合でも腎保存手術に成功するポイントは,破裂後は,長い期間をおいて手術を行うことと,手術時のin-situ潅流にあるのではないかと考えている。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1996-10-20

腎血管筋脂肪腫の治療法選択についての検討

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