表在性膀胱癌に対するBCGおよびAdriamycin膀胱内注入療法の再発予防効果に関する比較検討
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概要
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77例の表在性膀胱癌に対し,TUR-BT後の腫瘍再発予防としてBCG腸胱内注入(BCG膀注)あるいはAdriamycin(ADR)膀注をおこない,その長期観察により再発率の比較検討を行った.44例に対しBCG膀注が施行され3年後の推定実測非再発率は73.0%であったが,一方,33例のADR膀注症例においては27.3%とBCG膀注群において有意に高い非再発率が示された(p=0.0013).BCG膀注群とADR膀注群の再発率をその背景因子として初発-再発,単発-多発,腫瘍悪性度別に分類し検討すると,初発症例,grade 1およびgrade-2症例を除く,他の総ての背景因子においてBCG膀注群にADR膀注群より有意に高い非再発率が示された(p<0.05).さらにBCG膀注群をその治療期間別に再発率を検討すると18カ月以上BCG膀注を持続した長期BCG膀注群において6週のBCG初期膀注群あるいは1年BCG膀注群に比し比較的良好な非再発率を認めたが統計学的に有意なものではなかった.以上の結果は表在性膀胱癌の再発予防法としてBCG膀注は有効であり,その治療期間は6週間のBCG初期膀注により達成し得るものと考えられた.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1989-10-20
著者
-
柴山 太郎
慶應義塾大学泌尿器科関連前立腺癌研究会
-
畠 亮
慶應義塾大学泌尿器科関連前立腺癌研究会
-
田崎 寛
慶應義塾大学泌尿器科関連前立腺癌研究会
-
柴山 太郎
伊勢原協同病院 泌尿器科
-
馬場 志郎
慶應義塾大学医学部泌尿器科
-
実川 正道
さいたま市立病院 泌尿器科
-
実川 正道
慶応義塾大学 泌尿器科
-
実川 正道
慶應義塾大
-
柴山 太郎
済生会神奈川県病院
-
柴山 太郎
琉球大学 泌尿器科
-
柴山 太郎
済生会中央
-
出口 修宏
慶應義塾大
-
橘 政昭
慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
-
飯ヶ谷 知彦
慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
-
田崎 寛
慶應義塾大学医学部 医学部国際交流委員会
-
飯ケ谷 知彦
国立霞ケ浦病院泌尿器科
-
柴山 太郎
慶応義塾大学 泌尿器科
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