Kock回腸膀胱造設術における手術手技変更に伴う早期ならびに晩期合併症とその成因に関する検討

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Kock回腸膀胱造設症例47例を対象に早期ならびに晩期合併症を総括し,作成手技の変化に伴うその発生頻度を検討した.作成手技としては,Skinnerらの方法に準じた初期症例が22例であり,1988年10月以降においての25例では,輸出脚をポウチ壁に固定し,かつ両側腎盂にsingle-J尿管ステントを留置する変法を行いこれを後期症例とした.初期症例の7例(31.8%)に2例の術後の回復を待たずに死亡した症例を含む早期合併症を認めた.また後期症例の早期合併症の発生は4例(16.0%)であった.初期症例の早期合併症として術後早期のポウチよりの尿の漏出が6例(27.3%)と最も高頻度に認められたが,single-J尿管ステントの使用により後期症例では1例(4.0%)と有意に減少した(p<0.05).術後早期死亡2例を除く20例の初期症例における平均48.6±21.3ヵ月の経過観察において,輸出御不全に伴う晩期合併症が7例(35.0%)に,輸入御不全による合併症が3例(15.0%)に,またポウチ内の結石形成が3例(15.0%)に認められた.一方後期症例における平均21.9±11.4ヵ月の経過観察では,輸出御不全が2例(8.0%),輸入御不全が2例(8.0%),ポウチ内結石形成が2例(8.0%)に出現した.以上の結果よりKock回腸膀胱の合併症発生頻度は早期ならびに晩期ともに高いものがあり,その主な原因として,輸入脚・輸出脚の逆流防止機能を腸重積によっている点が挙げられる.今後さらに手技の改善・改良が計られるべきと考える.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1992-11-20

Kock回腸膀胱造設術における手術手技変更に伴う早期ならびに晩期合併症とその成因に関する検討

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