当教室で経験した尿路上皮腫瘍の内, 上部尿路腫瘍96例における臨床統計的観察

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概要

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1965年1月から1982年12月までの18年間に、568例の尿路上皮腫瘍症例を経験した。内、96例(16.9%)が上部尿路腫瘍であり、その内訳は原発性のものが90例および膀胱腫瘍治療後の異所性再発によるものが6例であった。原発性上部尿路腫瘍は自然発生腫瘍群および職業性腫瘍群の両者において、膀胱腫瘍よりもむしろ若年で発生しているようである。上部尿路腫瘍および膀胱腫瘍はともに男子に多くみられているが、上部尿路腫瘍後の膀胱再発の頻度には男女差はみられなかった。また、この再発は25.5%の症例で平均15ヵ月後に認められた。治療としては腎尿管全摘が主として施行されているが、6例の尿管腫瘍症例では腎保存術式が行われており、内、low grade又はlow stageの3例が15〜115ヵ月にわたり局所および尿路での再発をみる事なく生存中である。全体としての5年実測生存率は、膀胱癌による膀胱全摘例のそれと差はなかった。
社団法人日本泌尿器科学会の論文

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